GT300 Rd7 THAILAND 2016年10月9日 <決勝>
- ▶ 予選 ▶ 決勝
- 天候:晴れ一時雨 | コース状況:ドライ
- 決勝
- #51 JMS LMcorsa 488 GT3/都筑晶裕・新田守男 12位 60周
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日曜日になると日差しは一気に強くなって、ようやくタイらしさを取り戻したかのような気候になった。早朝のフリー走行ですでに気温は32度、路面温度は39度に。前半は新田がドライブし後半は都筑が担当した。ベストタイムは新田が1分35秒444で、都筑が1分36秒509。この後に行われたサーキットサファリにも都筑は走行し、バスが離れた後半には1分35秒263をマークする。
今回のスタートを担当する新田は8分間のウォームアップで2周走行し、最終チェックを行った後「JMS LMcorsa 488 GT3」をグリッドに進めることとなった。時にタイのレースファンは、日本のレースファンより熱心なのではないかと思うことがある。それが証拠にグランドスタンドからは鳴り止まぬ応援が。ドライバーのボルテージも一気に高まっていく。
スタート時の気温は33度、路面温度はついに44度にまで達した。決勝レースはいきなりヒートアップ。随所で激しいバトルが繰り広げられる中、あらかじめタイヤ無交換を視野に入れていた新田はまずはポジションをキープ。しかしレース展開は序盤のうちから徐々にサバイバルレースの様相を呈すようになり、2周目には15番手、3周目には14番手に浮上。7周目にはさらに1台を抜き去って13番手につけることとなる。そこから先は均衡状態が続き、また20周を過ぎた頃からドライバー交代を行うチームが出始める中、新田は実に36周目まで走行。過酷なコンディションにもタフネスぶりを証明することとなった。そして暫定2番手で都筑と交代し、新田の判断によって当初から想定されたタイヤ無交換で送り出す。
しかし、ピットイン時にミッションが不具合を起こし、そこで抱えてしまったロスによって「JMS LMcorsa 488 GT3」の順位は再び13番手に。それでも都筑は後続からのプレッシャーを受けることなく、タイヤをいたわって走行し安定したラップを刻んでいく。そんな中、2番手を走行していた車両がGT500車両と接触して戦線離脱。52周目に都筑は12番手に浮上する。そして60周目にはチェッカーが振られることに。5ポジションアップには成功したものの、またしてもあと一歩のところで入賞は果たせなかった。
残すはツインリンクもてぎでの2連戦。オートポリスの代替レース、第3戦を土曜日に行い、最終戦を日曜日に行うという変則スケジュールは、うまく流れをつかめば大量得点の可能性もある。この3戦はあと少しのところでポイントを逃す悔しいレースが続いたが「終わり良ければ、すべて良し」となることを期待したい。
ドライバー/都筑晶裕
ソフトタイヤが上手く発動せず、予選、決勝とハードで行かざるを得なかったのでタイムが出ないのは分かっていたんですが、思ったより悪かったという印象でしたね。このコースを走るのは2回目で好きなタイプではあるんですが、レースではピット位置が悪く、熱が入った状態でのピットアウトはタイヤカスがすごくて、序盤はそのピックアップに苦しめられた感じでした。その中でもできるだけプッシュしようと思って走り、終盤に35秒台前半を刻めた事を考えると歯車が合えばもっといいレース展開が出来たのは間違いないので、悔しさが残るレースになりました。次戦の茂木は最終戦、同じサーキットで2レースなので、しっかりセットを合わせ表彰台を目指して、最後は笑って終われるようにしたいですね。
ドライバー/新田守男
予選も決勝もハード系のタイヤで走らなくてはいけなかった状況にしては、レースペースはトップ3ともそう違わなかったので、レース展開としてはそんなに悪くないのかなと思っていたんですけど……。ピットインした時にちょっと問題が生じて、ニュートラルに入ってしまって1速に入らなくなっちゃったんです。ピットレーンだけで何秒かロスしてしまって、ピットアウトした都筑選手がジャンプアップすることができなくなったのが痛かったですね。何もなければ、きっと8位とかで終われたとは思うんです。次のもてぎも厳しいかな、ストレートが速くないクルマだしもてぎはストップ&ゴーなんで、それがどう影響するか。そんなに暑くないはずですから、熱問題は生じないでしょう。最後はすっきり終わりたいですね。
監督/小林敬一
17番手からのスタートだったんですが、全体的にみんなが淡々と走っていたので、簡単にはジャンプアップできませんでした。抜くにしても一台ずつというレースをしていたんですが、みんなそこそこ同じようなタイムで走っていたので、なかなか簡単には順位を上げられず……。いろいろ戦略を練ったんですけど、ちょっと今回のここはフェラーリにはしんどかったので、クルマ的に言うと。何のアドバンテージのないまま走りきったという感じのレースでした。ただ、次のもてぎになれば気候も涼しくなるし、フェラーリにとってはまたいろんなチャンスがあると思うので期待はしています。
エンジニア/成沢健二
土曜日の練習走行から流れが悪くて、ダスティな路面に柔らかいタイヤを使えなかったのが痛かったですね。それに暑い中、エアコンの調子も良くなかったんですが、それはドライバーが頑張ってくれて。新田さんがけっこう引っ張ってくれましたし、しかも硬い方のタイヤを無交換で行けたので、そのへんは収穫だったと思います。ただ、予選でもう少し前に行かないといけないし、行けるようなクルマを作らなきゃいけないと思いました。今回も決勝のペースは良かったですし、ドライバーの方のドライビングの課題もだいぶ分かったので、次は行けると思います。